ひとことで言うと
リード・アンド・ルックアップは、英文を1文だけ黙読して頭に入れ、顔を上げて(look up)、相手の目を見て言う練習です。読んでいる最中は声を出さず、言っている最中は文字を見ません。文字を見ながら読む音読と、何も見ずに話すことのあいだにある段で、「読めるのに話せない」という生徒の壁を、1文ずつ越えさせます。
出どころ
イギリスの英語教育者マイケル・ウェストが1960年に示した練習法です。日本では音読指導の中の1つの型として教科書の指導書や研修で広まり、リテリングやスピーチの前段として置かれます。学習指導要領の本文にある語ではありません。
授業での実際の使い方
ペアで回す3分の型です。
| 分 | やること | 先生が言う言葉 |
|---|---|---|
| 0〜1 | 先生がやって見せる。1文を黙読→顔を上げて言う→次の文 | 「読むときは黙って、言うときは見ない」 |
| 1〜2 | Aが本文を1文ずつ、リード・アンド・ルックアップでBに言う。Bは聞いて、内容を1つ質問 | 「相手の目を見て」 |
| 2〜3 | 交代 | 「交代」 |
1文の長さは、最初は8語以内が目安です。長い文は、意味のまとまり(スラッシュ)ごとに区切って、まとまり単位で顔を上げます。慣れてきたら、本文の語をキーワードだけにした紙で行うと、リテリングにつながります。先生が言う言葉でいちばん効くのは「覚えようとしないで、意味を持って顔を上げて」です。
よくある誤解
- 暗唱ではありません。暗唱は全文を覚えてから言い、リード・アンド・ルックアップは1文ずつ覚えては言います。覚える量が小さいので、どの生徒にもできます。
- 声に出して読んでから顔を上げる、のではありません。読む段は黙読です。声に出すと、文字を見ながら言う音読に戻ります。
- 1人でできる練習ですが、相手がいるほうが効きます。目を見る相手がいることで、「文字を見ずに伝える」形になります。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 文字の読みは求めないので、絵カードを見て顔を上げて言う形に置き換える |
| 中学校 | 音読の4段目として帯に。リテリングとスピーチの前段 |
| 高校 | 要約文や意見文を自分で書いてから、それをリード・アンド・ルックアップで言う |
| 塾 | 個別指導で、確認テストの英作文を書いたあとに、書いた文を顔を上げて言わせる |
この用語が出てくる教材と記事
- 音読指導の技術|目的別7つの型。7つの型の中で、文字から離れる段としての位置づけです。
- 即興で話す力の育て方。原稿から離れて話す力への橋渡しです。
- 1分暗唱チャレンジ。基本文5文をリード・アンド・ルックアップで練習する帯のプリントです。
- 音読の全体は音読のバリエーション、次の段はリテリングへ。