中1がこの時期までに英語で言えるのは、ほとんどが「事実」です。I like soccer. I play games.——本当のことしか言えません。want to は、その壁をはじめて越える文法です。まだしていないこと、心の中にしかないことが英語になる。だから本来いちばん言いたいことがあふれる単元のはずですが、「want to=〜したい」と訳を出すだけの導入では、新しい熟語がひとつ増えるだけで終わります。この授業案は、冬休みを目前にした教室で「したい!」が最高潮になる瞬間をつかまえて、want to を出す50分です。
この教材で解決できる悩み
- 「want to=〜したい」と訳を言って本文へ進むだけになり、生徒が自分のことに引きつける時間がない
- I want be a singer.(toが落ちる)・I want to a new bike.(モノにまでto)が初出のときから混ざる
- 書かせると全員が I want to play games. で止まり、「したいこと」が広がらない
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学1年(NEW HORIZON 1 Unit 8。BLUE SKY 1 Unit 8・Here We Go! 1 Unit 3の want to にも対応) |
| 文法項目 | want to+動詞の原形(「〜したい」)※3用法・try to・look+形容詞は扱わない |
| 形式 | 授業案A4(印刷版PDF・板書例と動詞の足場つき) |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | スリップ用の紙(メモ用紙・付箋可)と袋か箱1つ。袋に「福」と書けば福袋です |
授業の流れ(50分)
導入: 冬休みまで、あと何日?(10分)
黒板に『冬休みまであと○日』と書き、「で、何するの?」と日本語で聞きます。「寝たい」「ゲームしたい」「推しのライブ行きたい」——「したい」が勝手にあふれます。2〜3人分を日本語のまま板書して、種明かし。「その『〜したい』、英語では want to です」。先生自身の冬休みも2文だけ英語で明かします(I want to watch movies all day. など)。生徒の「したい」が先、英語の型が後という順番が肝心です。年明けに扱うクラスなら『今年したいこと』に置き換えるだけで回ります。
気づき: toのあとは動詞のそのまま(8分)
板書を整理します。
I want to play games all day.(一日じゅうゲームをしたい) I want a new game.(新しいゲームがほしい)
押さえるのは2つだけ。①want to のあとは動詞のそのままの形(原形)——「want to+動詞」でひとかたまり。②ほしいのが「モノ」なら to は付けない。ゲームつながりの2文を並べると、違いが一目で見えます。たずね方 Do you want to ~? — Yes, I do! / No, I don't. まで出して口慣らしをしたら、道具はそろいました。
展開: したいこと福袋(22分)
スリップに「この冬休みにしたいこと」を I want to ~. で1文、名前は書かずに書かせます(5分)。板書に動詞の足場: try / eat / go to / visit / watch / play / make / be。足場の動詞に自分の言葉を1語足せば文になります。ルールは1つ——「クラスのだれかに読まれます。読まれてうれしいことを書く」。
全員分を回収して福袋へ。よく混ぜて1人1枚引かせたら(自分のは引き直し)、持ち主さがしの開始です。
- 立って歩き、出会った相手に、スリップの want to から後ろをそのまま使って質問: Do you want to eat 100 gyoza?
- 違えば No, I don't. → 別の人へ。当たりなら Yes, I do! It's mine! → スリップを返して Nice! / Me too! をひとこと(同じ願いが2枚あればどちらで成立してもOK)
- 引いた1枚を届けられて、自分のスリップも戻ってきたら任務完了
- 残り数枚は先生が読み上げます: Who wants to sleep for 14 hours? — It's mine!(この救済がもう一周の聞かせる時間になります)
仕上げに数人を指名し、届けた相手を紹介させます: I found Kenta's. He wants to visit Korea.——wants になっても to のあとはそのまま、をここで聞かせておくと、次のドリルの「まちがい診療所」が効いてきます(Unit 5の三単現の復習も一周まわります)。
まとめ: 自分の1文を取り戻す(10分)
戻ってきた自分のスリップを、ノートか提出カードに清書して提出。早く終わった生徒には「冬休みが終わったらしたいこと」をもう1文。提出物はto落ちの分布を見る診断材料になります。単元本文へは What do you want to do for the world? という問いから入ると、Think Globally, Act Locally というタイトルの意味——「自分のしたい」から「世界のためにしたい」へ——がそのまま授業の流れになります。
定着・入試への接続
翌週の帯活動のインタビューに Do you want to ~? を1問混ぜると、記憶が新しいうちに習慣になります。書く練習は同じ先取り単元用のwant to のはじめてドリル 中1版へ——to落ちとモノ/コトの区別という今日と同じ2点に絞った、「対話で言えた」を「紙でも書ける」に引き上げる1枚です。そのあと、同じ Unit 8 の try to まで使って「したいこと」を教室のサイズに降ろすわたしの Act Locally カードを置くと、導入・定着・応用が一本道になります。want to は中2で3用法(〜すること・〜するための・〜するために)へ発展し、高校入試では「将来の夢」英作文の核 I want to be ~ になります。全体像は不定詞の教え方ガイドにまとめてあります。
