現在完了〈経験〉の答案でいちばん多いのは、I have visited Kyoto last year. です。形は正しい。問題は「いつ」の語(last year)と現在完了が同居していることで、現在完了が「いつを言わない形」だと分かっていない印です。このワークシートの合言葉は「1つの文に、いつ と have は同居しない」。
目印さがしでは、ever・twice・three times(経験)と last summer・last year(いつ)を決め手として書き、(4)(5)では同じ read が回数なら現在完了、いつなら過去形に変わることを見ます。
この教材で解決できる悩み
- 定着ドリルでは正しく書けるのに、テストや発話で形が崩れる(どの形を使うかを決めていない)
- 「なぜまちがいか」を生徒が自分の言葉で言えず、同じ誤りがくり返される
- 正誤問題だけでは「2つとも正しい文の意味のちがい」を扱えない
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学2年(現在完了〈経験〉を学んだあと。中3で扱う教科書では中3の初めに。検定6種のどれでも) |
| 位置づけ | 文法ステップ2=定着ドリル(形を固める)のあと、応用ワークシート(自分のことを語る)の前。会員限定の「使い分けワークシート」シリーズ |
| 構成 | 生徒面A4表裏=表: ねらいと目印→①目印さがし(6問・決め手の語を書く)→②どっちも正しい(3組・意味のちがいを説明)→③実答案の診療所(5問・誤答タイプを名指し)/裏: ④ふくらませる(5段の産出)→⑤ペアで確かめる(2分の手順)→⑥仕上げの3問。3ページ目=解答・許容範囲・タイプ別の直し方・先生への指導メモ |
| 記入箇所 | 約35(決め手6・説明3・診断5+直し5・産出5段・自己採点3) |
| 時間 | 15〜20分(⑥は宿題への切り出しも可) |
I have been to Hokkaido. と I went to Hokkaido in 2023.——経験と「いつ」
どっちも正しいの①は、I have been to Hokkaido.(行ったことがある・いつかは言わない)と I went to Hokkaido in 2023.(2023年に行った)。②の Have you seen this movie?(経験)と Did you see this movie last night?(いつ)も同じ対比です。③の He has gone to London.(行ってしまって今いない)と He has been to London.(行ったことがある・今はここにいる)は中2では発展ですが、「今どこにいるか」で分かれることを1分で扱う価値があります。
実答案の診療所——直し方が2つある1問
A「いつ と経験の混ぜ」(I have visited Kyoto last year.)の直し方は2つ——過去形にする(I visited Kyoto last year.)か、last year を消して経験にする(I have visited Kyoto before.)。生徒に選ばせると、現在完了が「いつを言わない形」だと体で分かります。B「過去分詞でない」(have saw)、C「been と gone」、D「疑問文・否定文の形」(Do you have ever seen)も、それぞれ1問ずつ。5問目の I have never eaten natto. は正しい文です。
使い分けワークシートとは(文法ステップ2)
定着ドリルは「正しい形を書く」練習です。ところが定期テストや発話で崩れるのは、形を知らないからではなく「この場面でどの形か」を決められないからです。使い分けワークシートは、その「決める」を練習の中心に置きました。
- 目印さがし: 正しいほうを選ぶだけでなく、決め手になった語を書きます。空欄の生徒は形を丸暗記で選んでいるので、机間で「どの語で決めた?」と聞けます。
- どっちも正しい: 2つとも正しい英文を並べて意味のちがいを日本語で説明させます。正誤問題では育たない「文法は意味の選択だ」という見方が、ここで生まれます。
- 実答案の診療所: 実際の答案に出る誤りに名前を付け(4タイプ)、診断→修正→理由の順で扱います。模範解答しか載らない問題集には作れない形式です。
- ふくらませる: 1文から2文、対比の文へと5段で産出し、ペアで読み合って自己チェックします。個人で解いて終わる紙ではなく、授業が回る紙です。
解答は生徒面の裏ではなく3ページ目にあるので、表裏をそのまま配れます。3ページ目には許容範囲と、15分で回す手順・机間で見るものを書いた指導メモがあります。
導入→定着→使い分け→応用の一本道
導入は「現在完了(経験)導入『自慢のつづき』授業案」、形を固めるのは「現在完了の定着ドリル 中2版」(無料)。このワークシートで「いつ」と経験を分けられるようになったら、「never 自慢」(無料)へ。測るなら「現在完了の10分小テスト 中2版」の標準・発展です。
