ライティングの課題を出すと、白紙や1語だけで出す生徒がクラスに何人もいます。「自由に書いていいよ」と言うほど固まってしまうようです。書くことへの抵抗をどうやって下げればいいでしょうか。(中2担当)
結論: 「自由に書いて」をやめる。白紙は書けないのでなく「書き出せない」
白紙で出す生徒の多くは、英語力がゼロなのではなく、真っ白な空欄を前にどこから手をつけるか分からず固まっているのです。「自由に書いていい」は、書ける子には翼ですが、苦手な子には崖です。必要なのは自由ではなく、書き出しの足場。ゼロから書かせるのをやめ、負荷を1段ずつ上げる階段を用意します。
書くことの4段階の階段
いきなり「作る」を求めず、下の段から上がらせます。
| 段階 | 生徒がすること | 空欄恐怖 |
|---|---|---|
| ①選ぶ | 選択肢から選んで文を完成 | ほぼゼロ |
| ②まねる | モデル文の一部を自分の情報に差し替え | 小 |
| ③変える | モデルを参考に、複数箇所を変える | 中 |
| ④作る | 自分でゼロから組み立てる | 大 |
苦手な生徒には①②で「書けた」を経験させ、そこから徐々に上げます。同じ課題でも、足場の量を変えれば全員が参加できます。
具体的な足場のかけ方
文フレームを渡す
「あなたの好きな季節について書きなさい」ではなく——
My favorite season is ________. I like it because ________. In (season), I ________.
穴を埋めれば1つの段落になるフレームを渡します。書くことが苦手でも、穴埋めなら手が動きます。埋めた文がそのまま成功体験になります。
語彙バンクを添える
内容語で詰まる生徒のために、使えそうな単語リストを課題の隅に印刷します。スペルの不安で書けない子には、これだけで劇的に変わります。
「まず日本語でメモ→英語に」の2段構え
いきなり英語で考えさせず、言いたいことを日本語で殴り書き→知っている英語で言えるところから、の順に。内容を考える負荷と英語にする負荷を分けるだけで、書き出しがぐっと楽になります。
少しずつ足場を外す
大切なのは、足場をかけっぱなしにしないことです。フレームで書けるようになったら、次は一部を空欄に、その次はフレームなしで。「書けた」の階段を上るにつれて足場を減らすと、いつのまにか自分で書けるようになります。当サイトの「1文スリップ→文集」の活動(接続詞whenの記事)も、1文だけ・フレームつきという最小の足場から書く抵抗を下げる設計です。書くことは、才能ではなく段取りで伸ばせます。