I like music. ——この文には、大事なことがひとつ入っていません。同じ「音楽好き」を名乗る生徒が、教室では聴く派・歌う派・弾く派に分かれます。この授業案は、その分かれ目を教室の床に作り、「どう好きか」を言う道具として like 〜ing を渡す50分です。
この教材で解決できる悩み
- 「動名詞=動詞の名詞化」の説明から始めてしまい、先取りの初出日から重い
- 進行形と同じ ing なので「今していること」と「〜すること」が混ざる
- ×I like play games.(ing なしの直づけ)が最初から定着しかけている
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学1年(BLUE SKY 1 Unit 8。Here We Go! 1 Unit 3 の like 〜ing にも対応) |
| 文法項目 | like / enjoy / be good at+動詞の ing 形(「〜すること」)※用語・主語の動名詞・want to との対比は扱わない |
| 形式 | 授業案A4(印刷版PDF・板書例と動詞の足場つき) |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | なし(立って動けるすき間があれば成立) |
授業の流れ(50分)
導入: 先生の I like music. 事件(8分)
板書に I like music. と書きます。「本当の文です。でも先週、この文のせいでカラオケに誘われて困りました。先生が好きなのは聴くことで、歌うのは得意じゃない」。music の下に「聴く?歌う?弾く?」と矢印を3本書き、日本語で聞きます。「サッカー好き」も全員同じ?——する派と観る派がいる、と教室から返ってきます。名詞の「好き」は中身がひとつじゃない。この分かれ目を握ってから、道具を渡します: I like listening to music.(聴くことが好き)。
気づき: 動詞に ing をつけると「〜すること」(8分)
板書の整理は、ひと組の対比だけです。
I like music.(何が好きかは言えている) I like listening to music.(どう好きかまで言えている)
押さえるのは3つ。①like のあとに「動き」を置くときは動詞+ing=「〜すること」——そのまま(×like play)は置けない。②仲間は enjoy(楽しむ)・be good at(得意)——後ろはどれも ing。③進行形の I'm playing 〜.(BLUE SKY は直前の Unit 7)とは形が同じで仕事が別——be動詞とセットなら「今まさに」、like・enjoy のあとなら「すること」。つづりの注意は次の時間のドリルに預けます。
展開: 同じ好き、ちがう好き(24分)
お題を宣言します。「MUSIC! 音楽が好きな人、起立。聴く派は窓側、歌う派は後ろ、弾く派は廊下側へ」。ルールは2つ——歩く・口に出すのは英語だけ。着いたら行き先ごとに声をそろえて We like listening to music! 人数を板書に記録し、各コーナー1人に Do you like singing? とミニインタビュー。どの派でもなければ着席のままカウント係。1お題3〜4分で、games・sports(する派・観る派)→ manga(読む派・描く派)→ food(作る派・食べる派。I like eating! で必ず笑いが起きます)と回せば、黒板に「好き」の人数マップと ing の実例が10個以上残ります。移動が難しければ着席のままハンドサイン(耳・マイク・エアギター)でも回ります。夏実施(Here We Go! 1 Unit 3)なら、お題に summer を足して swimming 派・camping 派を作るだけ。
まとめ: 好きプロフィール3文(10分)
最後は自分の番です。like / enjoy / be good at を2種類以上使い、自分の「好きなこと」を3文書いて提出。板書の実例がそのまま足場です。「得意なことがない」生徒には I'm not good at running. の逃げ道を——否定形でも ing の練習としては満点です。早い生徒は隣と Do you like 〜ing? を1往復。提出物は ing 落ちとつづりの分布を見る診断材料です。単元後半の Which do you like, A or B? は今日の仕分けの2択版——「窓側と廊下側、どっち?」で戻れます。
定着・入試への接続
書く練習は同じ先取り単元用のlike 〜ing のはじめてドリル 中1版へ——つづりと「want は to」の相棒まで、今日の言い分けを紙で整えます。ドリルのあとは、応用の日曜日の相棒さがしへ——今日のカラオケ事件がそのまま課題になり、〜ing でたしかめてから人をさそう活動です。中2で本格登場したら、主語の動名詞まで運ぶ動名詞導入『動詞を缶詰にする』趣味紹介授業案へ。全体像と入試での出方は動名詞の教え方ガイドにまとめてあります。
