定期テストの3週間前、生徒が範囲表の写真を送ってきます。学校の先生は自分の範囲を知っていますが、塾はそうはいきません。教科書会社が6社、学校ごとに進度が違い、同じ中2でも「Unit 3〜5」の中身が塾生ごとにばらばらです。この記事は、範囲表を受け取った日に机の上でやる3つの作業を、順番どおりに書いたものです。
作業1 単元名を文法に翻訳する(10分)
範囲表に書いてあるのは、たいてい「Unit 4〜Unit 6」「Lesson 5〜7」のような単元名だけです。まず教科書別の単元マップで、生徒の教科書と学年を開きます。単元ごとに「扱う文法」が並んでいるので、範囲の行だけを拾って書き出します。中2で Unit 3〜5 なら、たとえば不定詞・助動詞・動名詞、というふうに、範囲は3〜4個の文法に翻訳できます。
ここで2つ注意があります。ひとつは、Stage Activity や Let's Read のような単元は「総復習」扱いで、新しい文法が出ないこと。範囲に入っていても、紙を新しく足す必要はありません。もうひとつは、範囲表に「教科書の基本文」「本文の内容」と書かれている学校があること。本文の穴埋めや暗記は、学校のワークと教科書でしか対策できません。 当サイトの教材は教科書の本文を載せていないので、その部分は生徒に学校のワークを持ってこさせてください。塾の紙が受け持つのは、文法の形と語順です。
作業2 文法ごとに紙を3枚決める
範囲の文法が決まったら、文法ごとに「要点まとめ」「定着」「確認テスト」の3枚を決めます。定期テスト対策パックで教科書・学年・範囲の単元を選ぶと、この3枚が文法ごとに並びます。
- 要点まとめは塾限定パックの1ページ目。形・例文・注意を1枚にしたもので、生徒に渡して音読させる紙です。
- 定着は無料の10分小テスト(基礎・標準・発展の3版)と定着ドリル。同じ場面で3版あるので、生徒ごとに渡し分けます。
- 確認テストは塾限定パックの2ページ目。20分・20点、合格ライン14点。大問1が形、大問2が語順、大問3が英作文で、どこで落としたかがそのまま戻し先になります。
範囲全体を1枚で確かめたいときは、学年の定期テストの標準版を通しで解かせるか、テストビルダーで登場人物や地名を自塾用に差し替えた紙を作ります。定期テストの選び方はこちらの案内に書いてあります。
作業3 2週間に配る
紙が決まったら、テスト日から逆算して2週間に置きます。個別指導で週2回、範囲の文法が3つの場合の配分です。
| 時期 | 回 | やること |
|---|---|---|
| 2週間前 | 1〜2回目 | 文法Aと文法Bの要点まとめを音読→定着ドリル。宿題は小テストの基礎版 |
| 10日前 | 3回目 | 文法Cの要点まとめ→定着。A・Bの小テスト標準版で確認 |
| 1週間前 | 4〜5回目 | A・B・Cの確認テスト(20分)。落とした大問で戻す |
| 3日前 | 6回目 | 学年の定期テスト標準版を通しで。時間配分の練習 |
| 前日 | 自習 | 要点まとめの表だけを音読。新しい紙は渡さない |
前日に新しい紙を渡さない、という一点だけは守ってください。前日に初めて見る問題で落とすと、生徒は「やってもだめだった」と受け取ります。前日は音読だけにして、できることを確認して帰します。
生徒ごとに版を変える線
小テストは基礎・標準・発展の3版があります。同じ回に、同じ時間で、隣の生徒と違う紙を渡せるのが塾の強みです。線の引き方は、前回の定期テストの点数で決めるのがいちばん簡単です。
- 50点未満の生徒には基礎版。語群と選択肢があり、最初の大問が全員解ける作りです。
- 50〜75点の生徒には標準版。学校の定期テストに近い形です。
- 75点以上の生徒には発展版。記入式と産出があり、90点の壁を越えるための紙です。
塾限定パックの確認テストは標準版だけです。基礎版が必要な生徒には、確認テストの前に小テストの基礎版を1枚はさむと、確認テストの大問1が解けるようになります。
落とした大問で戻す
確認テストの3ページ目に「点数の見立てと戻し先」の表があります。大問1(選択)で2問以上落とした生徒は形の理解が固まっていないので、要点まとめの表を1行ずつ音読させてから同じ5問をもう一度。大問2(並べかえ)で落とした生徒は語順なので、日本語の横に「誰が→どうする→何を」の矢印を書かせます。大問1・2は正解で大問3(英作文)だけ落とした生徒は、書く量の問題です。同じ日本語を3回書かせると通ります。
戻し先を表にしてあるのは、講師が変わっても同じ戻し方になるようにするためです。大学生講師に渡すときは、講師に任せるときの1枚も合わせて読んでください。
保護者に返す
確認テストの4ページ目が保護者報告票です。塾名・生徒名・点数・合格ライン・できたこと・次にやること・講師のひとことの欄があります。定期テストの1週間前に、確認テストの結果をこの1枚で家庭に返すと、テスト後の面談が「何点だったか」ではなく「どこができるようになったか」から始められます。
合格ライン14点は70パーセントです。定期テストで平均点を越える生徒は、確認テストの段階でこのラインを越えています。越えていない生徒には「もう一度」の欄に次回の日付を書いて、同じ紙をもう一度渡してください。同じ紙を2回目に解いて合格したときの顔が、生徒を塾に引きとめます。