講習は塾の売上が立つ場面ですが、英語はいちばん成果を見せにくい教科です。10日間で単語を覚えさせても、9月の定期テストで点が動かなければ、保護者は「講習の意味があったのか」と思います。講習の英語で変わったことを見せるには、文法を1つずつ「合格」にして、その紙を束ねて返すのがいちばん確かです。
学年別の芯
10日で全部はできません。学年ごとに、定期テストと入試で点差がつく文法に絞ります。
| 学年 | 芯にする文法 | 理由 |
|---|---|---|
| 中1(夏) | be動詞・一般動詞・三単現 | 2学期の過去形の前に、動詞の形が3つ区別できていないと全部崩れる |
| 中1(冬・春) | 過去形・進行形・未来表現 | 中2の最初の定期テストの範囲がここ |
| 中2(夏) | 不定詞・動名詞・接続詞 | 2学期の比較・受け身の前に、to と ing の使い分けを固める |
| 中2(冬・春) | 比較・受け身・現在完了の入口 | 中3の1学期に現在完了が来る。過去分詞の表をここで入れる |
| 中3(夏) | 現在完了・関係代名詞・分詞 | 2学期の定期テストと、入試の長文で最も出る |
| 中3(冬) | 入試の長文と英作文 | 文法は確認テストで穴だけ埋め、時間は読解に使う |
中3の冬は文法の講習をやめて、高校入試直前の3か月の記事にある読解の型に切り替えます。説明文・物語・資料・対話文の入試チャレンジがあるので、10日で4種類を1周できます。
1日90分の型
講習の1コマは90分が多いので、その型を1つ決めておきます。文法1つを1日で「合格」まで持っていく配分です。
| 時間 | やること | 使う紙 |
|---|---|---|
| 10分 | 要点まとめを音読。例文を見ずに言えたら行に印 | 定期テスト対策パック p1 |
| 30分 | 定着ドリル→小テスト(生徒ごとに3版) | 無料の10分小テスト・定着ドリル |
| 20分 | 確認テスト(20点・合格ライン14点) | パック p2 |
| 20分 | 採点と戻し。落とした大問で紙を替える | パック p3 |
| 10分 | 報告票の「できたこと」に印。次回の予告 | パック p4 |
採点と戻しの20分がいちばん大事です。ここを削って次の文法に進むと、講習が「紙をやっただけ」になります。確認テストで14点に届かなかった生徒は、翌日の最初の10分でもう一度同じ確認テストを解かせてください。2回目で合格する生徒がほとんどです。
10日の配分
中2の夏期講習(不定詞・動名詞・接続詞)を例にした10日の配分です。
| 日 | 文法 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 診断 | 中2の診断で戻し先を決める。中1の動詞の形が崩れている生徒は中1の診断も |
| 2〜3 | 不定詞 | 2日目に要点まとめと定着、3日目に確認テスト |
| 4〜5 | 動名詞 | 同じ型。4日目の最初に不定詞の再テスト(不合格者のみ) |
| 6〜7 | 接続詞 | 同じ型 |
| 8 | 混ぜる | 3つの文法を混ぜた小テスト。to と ing の使い分けが崩れるのはここ |
| 9 | 定期テスト型 | 学年の定期テストの標準版を通しで。時間配分 |
| 10 | 返す | 3枚の報告票を束ねて保護者へ。2学期の最初の範囲を予告 |
8日目の「混ぜる」を抜かないでください。文法を1つずつやっているときは正解できても、混ざった瞬間に to と ing を取り違えるのが中2です。定期テストは混ざった形で出ます。
生徒差に応える
講習は集団になりがちなので、学力差がそのまま出ます。同じ回に、同じ時間で、隣の生徒と違う紙を渡せるように、小テストは基礎・標準・発展の3版があります。線の引き方は定期テスト対策を範囲表から組む手順に書いた「前回の定期テストの点数」でよいです。確認テストは標準版だけなので、基礎版が必要な生徒には小テストの基礎版を先に1枚はさみます。
講習の最後に返すもの
10日目に、文法ごとの保護者報告票を束ねて渡します。3つの文法なら3枚です。点数・合格ライン・できたこと・次にやること・講師のひとこと。この束が「講習で何が変わったか」の答えになります。
講習テキストを買わなくても、この束は作れます。テキストを買う場合でも、報告票だけはこの形で返してください。保護者が見るのはテキストの厚さではなく、できるようになった文法の数です。
高校生の講習
高校生は文法18ユニットの見取り図から中学の穴を見つけて、穴があれば中3のパックに戻り、なければ読解・速読ラダーで段を上げます。読解ラダーは10段あり、1日1段で10日がちょうど1周です。