体育祭と合唱コンクールの時期は、短縮授業や学年練習で時間割が毎日変わり、クラスの半分が係で抜ける日もあります。単元の途中で1週間空いてしまい、再開すると生徒は前の内容を忘れている。行事は大事だと分かっていますが、毎年この時期の授業が崩壊するのが本当にストレスです。(中2担当・教職6年目)
結論: 行事週は「進める週」をあきらめ、「減らさない週」に切り替える
行事シーズンのストレスの根っこは、通常週と同じ設計の授業を細切れの時間に押し込もうとすることにあります。発想を切り替えましょう。行事週の目標は前に進むことではなく、身についたものを減らさないこと。この切り替えを年度はじめの計画に組み込んでしまえば、行事週は崩壊ではなく想定内の維持運転になります。
備え1: 行事週専用の「単発完結型」授業パターンを持つ
細切れの週に単元の続きをやると、欠席者と忘却で接続が壊れます。行事週は、その1時間だけで完結する授業に切り替えます。中身は——帯活動を長めに(10〜15分)、既習文法の復習ドリル、語彙の復習ゲーム、初見の短い読解1枚。どれも「前の時間を覚えていなくても参加でき、次の時間に続かない」のが条件です。この単発完結メニューをいくつかストックしておくと、時間割変更の連絡が来ても「では行事週パターンで」と即決できます。1枚目に入れておくものとして行事の英語カードを用意しました。行事そのものを題材にした表裏1枚で、裏の運転表が45分・25分・10分の3通りに分かれています。取れた時間が朝に決まってから選べます。
備え2: 単元の山場を行事週に置かない
年間指導計画の精度を上げる必要はありませんが、行事の位置だけは粗い地図に描き込んでおきます。文法の導入やパフォーマンステストのような山場の活動は、行事週の前後に寄せる。行事週にはあらかじめ復習・定着の時間を割り当てておく。「9月第3週は体育祭で細切れになる」と分かって組んだ計画は、細切れになっても崩壊しません。崩壊するのは、無傷の5時間を前提にした計画だけです。
備え3: 生徒が大勢抜ける日は「新出なし」ルール
係や実行委員で数人〜半分が抜ける日に新しい内容を進めると、あとで個別の補習コストとして自分に返ってきます。「クラスの2割以上が抜ける日は新出事項をやらない」と自分ルールを決めておくと、その日の授業設計に迷いがなくなり、抜けた生徒への罪悪感も消えます。抜けた側の生徒にとっても「英語は置いていかれる教科」という印象を作らないことが、行事後の再スタートを軽くします。
攻めの一手: 行事そのものを英語のネタにする
行事は授業の敵ではなく、教室で唯一「全員が共有している今の話題」です。Small Talkのお題を What's your role in the sports day? にする、合唱コンの曲紹介を英語で一言書かせる、行事後に Best memory を3文で書かせる——既習表現で話せる・書ける題材がそこに転がっています。行事の熱を英語の産出に変換できると、この時期の授業は「進まない週」から「よく喋る週」に見え方が変わります。
行事週で問われるのは、計画ではなく構え
行事シーズンに授業が乱れるのは、あなたの計画力の問題ではありません。乱れる前提で設計してあるかどうか、それだけの違いです。「減らさない週」の構えとストックが一度できれば、来年の体育祭からは、放送で予定変更が告げられても心が乱れなくなります。