仮定法の教え方ガイド中学英語・中3
形のルールより「ありえるか、ありえないか」の判断を先に
仮定法は中学文法の最終盤にして、意味判断がすべての単元です。形のルール(過去形にずらす・wereを使う)は覚えられても、「この文は仮定法にすべきか」の判断が抜けると、中2で習ったIf it rains tomorrow(実現しうる条件)までrainedと書いてしまいます。ありえない妄想の楽しさを入り口に、現実との距離で形を選ぶ指導の流れをまとめました。
仮定法でつまずく3つのポイントと直し方
つまずき1: 後半のずらし忘れ
× If I had a time machine, I will visit the Edo period.
なぜ起きる? ifの中の過去形は覚えても、仮定法が文全体のモード(前後セットでずらす)であることが伝わっていません。
直し方 「ありえない話モードのスイッチが入ったら、if側も結果側も両方ずらす」とセットで教えます。had・were・could・wouldの4点セットを合言葉にすると点検が速くなります。
つまずき2: 実現しうるifまで過去形にする
× If it rained tomorrow, I will stay home.(明日の雨はふつうにありえるのに)
なぜ起きる? 「仮定法の単元だから全部過去形」という単元内ルールの適用です。ありえる条件(中2のif)との使い分けが問われていません。
直し方 ありえる話(明日の天気・放課後の予定)とありえない妄想(宝くじ・魔法)を混ぜた問題で、「ありえる?ありえない?」を先に判断させます。この対比が入試の4択でそのまま得点になります。
つまずき3: wereへの抵抗
× If I am a bird, I could fly.
なぜ起きる? 主語がIなのにwere、という違和感が乗り越えられず、現在形に戻ってしまいます。
直し方 「過去形は時間ではなく現実からの距離を表す。wereは『これは現実じゃない話ですよ』の目印」と役割で説明します。If I were you, 〜(もし私があなたなら)を丸ごと決まり文句として先に入れるのも実用的です。
仮定法の授業の一本道(導入→定着→応用)
1つの文法は1時間では身につきません。意味に出会う導入、形を固めて使う定着、自分のことを語る応用——この一本道を、そのまま使える教材つきでたどれます。
1. 導入——意味と場面に出会わせる
もしもトーク(魔法が使えたら?宝くじが当たったら?)で、ありえない話だからこそ本音とユーモアが出る楽しさから入ります。
2. 定着——形を固め、使って身につける
ドリルは昼休みのもしもトーク対話を軸に、実現しうるif(現在形が正解)を混在。妄想と現実の切り替えができたら卒業です。
3. 応用——自分のことを語るタスクへ
わたしのもしも図鑑・もしも展覧会へ。I wish I were taller.のような切実な1文も、If our school had a pool 〜のような提案風の1文も、発表すると教室が温まります。
定期テストでどう測るか
テストでは卒業前のふり返りや願いの場面(もし1年生に戻れたら等)で、仮定法と直説法の使い分けを問います。中3・学年末の定期テスト(仮定法・間接疑問+3年間の総まとめ)が実例です。
仮定法の指導でよくある質問
仮定法「過去」という名前は教えるべきですか?
用語は混乱のもとなので「ありえない話モード」「もしもの形」など機能で呼ぶ方が通じます。「過去形を借りているだけで、過去の話ではない」ことだけ正確に伝われば、用語は高校で整理されます。
I wishとIf 〜の順序はどちらが先ですか?
I wish I could 〜.(〜できたらなあ)を決まり文句として先に入れる方が入りやすい教科書が多いです。1文で完結し、ずらしが1か所で済むからです。If型はその後に「wishの文が2つに増えた形」として拡張できます。
中2の条件のifとどう区別して教えますか?
並べて見せるのが一番です。If it rains tomorrow, I will stay home.(ありえる→現在形+will)とIf I were a bird, I would fly.(ありえない→過去形+would)を上下に並べ、「決めるのは形ではなく、ありえるかどうか」と1本の判断に集約します。